【読書記録1】ホーキング最後の言葉は
今日は大好きな本をご紹介します。
スティーヴン・ホーキング博士の
『ビッグ・クエスチョン<人類の難問>に答えよう』です。
<ざっくりまとめ>
ホーキング博士が2018年3月に死去した直前までしたためていた文章を、まとめて本にしたもの。宇宙の起源に迫る記述から、博士ならではの広い視点で人類の未来についても言及した、まさに集大成と言える一冊。
<こんな人に読んで欲しい>
ホーキング博士が好きな人、宇宙が好きな人、広い視野から人類の未来について考えてみたい人には、間違いなくおすすめできる一冊です!
私、ホーキング博士を題材にした2014年公開の『博士と彼女のセオリー』(英名:"Theory of Everything")という映画が大好きで、何ならこの映画をきっかけにホーキング博士が好きになり、そして宇宙が好きになったという感じなのですが、何より感動的なのが、この本の冒頭で、ホーキング演じた俳優のエディ・レッドメインが映画やホーキングについて話していることです。
演じる前、そして映画が公開された後にもホーキング博士と直接会ったようなのですが、映画の感想について博士は、
感動はしたけれど、心理描写はもっと減らして、物理の話を増やしたほうが良かったね 『ビッグ・クエスチョン』
と述べたそうです。
こんな秘話があったとは、、。
なるほど確かに宇宙が好きになって、ある程度宇宙物理学の勉強をした今映画を見返すと、ほとんどラブストーリーのような気もしますが、だからこそ高校生の時に映画を見たときに自然と見ることができ、宇宙をもっと知りたいと思うその入り口になったのだと感じています。人生で一番大好きな素敵な、そして綺麗な映画です。
この本では、博士が人生の集大成とも言える形で、これまでの研究内容や、博士ならではの広い視点で人類の未来に言及しています。
研究内容はもちろん、ホーキング放射でもおなじみ、ブラックホールについて触れられていて、博士と一緒に宇宙旅行に出かけているようなとても素敵な気持ちになります。
さらに、Q神は存在するのか、Q人類は地球で生きていくべきなのか、Q宇宙に植民地を建設すべきなのか、Q人工知能は人間より賢くなるのか、といった一見議論を巻き起こしそうなビッグテーマについて、ホーキング博士ならではの鋭い切り込みで言及されているという本当に読み応えのある本です。
どのビッグ・クエスチョンに対する結論も、本当に人類や地球というものについて俯瞰して考えを巡らせてきたんだなと思えるような感心の意見で、やはり宇宙物理学者というのは視点が広いと感動しました。
なかなか読み応えのある本ではありますが、間違いなく人生を生きていく上で必読の一冊です。ぜひご堪能ください!!
最後に本の記述の中で、お気に入りの博士の一説をご紹介します。
博士)私はこの惑星上で普通ではない生き方をしてきたけれど、頭と物理法則を使って、銀河系の果てまでいったこともあれば、ブラックホールの内部に入ったことも、時間の始まりまで遡ったこともある。
また、博士が現代の若者に向けたメッセージです。
博士)科学はかつてない形で日々の暮らしの一部になる。未来は科学とテクノロジーに依存する。今の若い人たちは、これまでのどの世代よりも、科学を知らなければならない。